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103、母の幸せ

墓参フォトコン2014応募作品

父は私が小学生の頃に他界した。
母はその頃から今でも毎朝のように、父がまつられている仏壇の前でお経を読んでいる。
いつもは気軽に話を聞いてくれる母だが、お経を読んでいるときには一切耳を傾けてはくれない。
きっと父のことだけを考えているのではないかと思う。
我が家の仏壇には、私と弟の通信簿や給与明細などが供えられている。
私と弟の成長を父に報告しているのだ。
父の死から10年経ち、私の中では父との記憶も薄くなってきてしまっているが、母はいつでも心の中に父の存在が残っているのではないかと思う。
仏壇は家の中の一部の家具として目立たないが、お墓は独立し、誰もが故人を偲ぶ場所である。
母は私たち兄弟にお墓参りに行くように勧める。
それは、お墓という独立した空間で家族全員一緒にいたいという気持ちの表れではないのかと感じる。
水をかえ、お供え物をし、墓石に向かって手を合わせる。家とやることはほとんど変わらないのだが、私は母とお墓参りに行ったときに毎回実感する。
母は父を愛しているのだと。
いつまでも変わらない母の父への愛情をお墓参りでは垣間見られる。母の幸せはお墓にあるのだ。

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