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70、祖母のきもので墓参り

墓参フォトコン2014応募作品

私の祖母は、染色作家でした。きものや帯を型絵染めという技法で染め、生前たくさんの作品を私や母に残してくれました。けれど私はそれほどきものに興味を持てず、年に一、二回着るだけ。祖母にとっては大変残念なことだったと思います。ところが五年前、突然変異のような事件が起こりました。仕事の都合でたまたまきものを着たところ、「もう、どうしても脱ぎたくない!ずっとずっと着ていたい」という気持ちに突然とらわれていたのです。それはとても不思議な体験でした。その日以来私は即座に着付け教室に通い、猛然ときものの織りや染めについて勉強を始めました。そうせずにはいられないほど、「きものが好き!」という思いが強く強く湧き上がっていたのです。
私の職業はライターです。それからは時に打ち合わせにもきもので向かい、編集者に会う度に「きものの仕事があったらゼヒ振って下さい」と頼んだりもしました。その甲斐あって少しずつきものや和文化に関するお仕事を頂けるようになり、自分で企画して大型きものショーを開催し、大入り満員を収めることも出来ました。そういった活動の中で老舗のきもの雑誌編集部にも顔を知って頂くことが出来、遂に、企画ページや、今年からは連載も持たせてもらえるようになったのです!今でも不思議なのは、それまでさほどきものに興味がなかった私が、突然きものに強い愛着を覚えた5年前のあの日のことです。私には、祖母が、「まやちゃん、もっときものを大切にして頂戴」と呼びかけてくれたとしか思えません。私は不器用で、自分では染めは出来ませんが、得意な文章という仕事を通して、これからもきものや日本の染織文化の素晴らしさを伝え続けたいと思っています。「おばあちゃん、ありがとう。今年からはきもの雑誌で連載も持てるようになったよ」と、春のお彼岸では祖母のきものを着て感謝の気持ちを伝えに行きました。きっと喜んでくれていると思います。

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