『月刊石材』ワンクリックアンケートNo.7(2016年8月)結果発表!

2016/08/19

マウス
当社メールマガジン「いしぶみ」の読者の皆様を対象に、今年から毎月1回、【ワンクリックアンケート】と題して、ご質問させていただく企画をスタートしました。2016年8月の質問は下記のとおりです。

Q、死者(ご先祖様)には、子孫を幸せにする力があることをお客様に伝えていますか?

2016年7月25日~29日まで
(カッコ内は、7月27日11時の中間発表の数字)

『月刊石材』ワンクリックアンケート2016年8月結果発表

【伝えている】47.6%
【伝えていない】47.6%
【その他】4.8%


 今回の質問はお盆の時期ということがありましたが、去る6月20日に発刊された町田宗鳳著『死者は生きている「見えざるもの」と私たちの幸福』(筑摩書房)を読んでのことです。
 著者は広島大学名誉教授で比較宗教学者です。1950年京都で生まれ、14歳で出家。臨済宗大徳寺で20年間修行。34歳のときに寺を離れて渡米し、ハーバード大学神学部で神学修士号、ペンシルバニア大学で東洋学部で博士号を取得されています。著書も多数あります。
 前掲書には「お墓参りは無駄にならない」として、次のように書かれています。

 「死者にも『マナ・パワー』(霊力=編集部注)を発揮します。それをいちばん受けやすいのは、墓地です。よくお墓参りすると、いいことがあると言われたりしますが、それは一概に迷信とは言えません。お参りした人間が、死者から『マナ・パワー』を受け取り、今まで以上に能力を発揮するのかもしれません。
 死者の霊がいつもお墓にいるとは思いませんが、お墓はあの世とこの世を結ぶヒエロファニー(宗教学では、あの世とこの世をつなぐ役割をしているものをヒエロファニーと呼ぶ=編集部注)ですから、そこに真摯にお参りすることは意味のあることです。たいていの人にとっては、お墓は自宅から遠くにあり、そこまで出かけていくのは、結構大変です。ですが、時々は遠路を厭わず足を運び、墓地を除草したり、墓石を洗ったりすれば、きっとよいことがあるはずです。
 せっかく出かけたお墓では、『死者は死んでいない』ことを強く意識することが大切です。そうすれば、お掃除のやり甲斐があります。もっとも、いつも見返りを期待しながら、お墓掃除をするというのは打算的ですから、ひたすら『ありがとう』の気持ちでするべきでしょう。
 お墓参りのあとの清々しい気分は多くの方が体験されていると思いますが、それは供養を受けた人も喜んでいる証しではないでしょうか。やはり、死者は死んでいないのです。もし家庭や仕事のことで悩むことがあれば、その気持ちを親しい人の墓前で伝えれば、そのうち解決の糸口が見つかるかもしれません。(後略)」
 
 引用が長くなりましたが、石材店として、こうしたことをお客様に伝えているかどうか。
 このページの最後にお墓100年プロジェクトお墓参り写真コンテスト写真集『お墓は幸せのシンボル ご先祖様には子孫を幸せにする力があります』にある「なぜ、『お墓参り』をするの」も転載しました。参考にしていただければと思います。

Q、死者(ご先祖様)には、子孫を幸せにする力があることをお客様に伝えている方は、その方法を教えてください。(一部省略)

【伝えている】
◆柳田國男著『先祖の話』を活用して、日本古来から続く先祖観がいまなお連綿と受け継がれていることを発信している。それを裏付ける科学的証拠はないかも知れないが、ひたすら信じることに意味や価値があると思う。
◆私どもは石材店のテレホンセンターですので、6月に入りますと新盆を迎えられるお宅に限らず、不特定多数のお客様からお盆に関する種々のご質問やご相談が入ります。中にはそもそもお盆ってなんなの?というご質問も多くあります。盆行事に関する民俗習慣には仏教的な意味だけでなく地域の特色もありますのでお答えは一様ではありませんが、先祖供養をすることの貴さや心の安らぎ、家族、親族の絆についてお話させていただいております。
◆「ご先祖様には子孫を幸せにする力があります」と書かれたお墓100年プロジェクトお墓参り写真コンテスト写真集をお客様に配っています。
◆営業トークの中で。
◆一般向けの柳田國男『先祖の話』を読む会を開催しています。
◆お墓詣りをちゃんとすることで、ご先祖様や亡くなった人にご加護をいただける、とお話しをしています。
◆ホームページにそのようなことを掲載しています。

※アンケートにご協力をいただきました皆様、誠にありがとうございました。

◎なぜ、「お墓参り」をするの?

 日本人の意識調査によると、宗教行為のなかでは「お墓参り」と「初詣」がダントツで、20歳から70歳までの70%という大多数の人が行なっています。

 しかし残念なのは、「お墓参り」も「初詣」も単なる年中行事のようになり、長い間日本人が伝えてきた、本来の「大切な意味」が忘れられ始めていることです。

 「大切な意味」とは何でしょう。

 それは、「ご先祖様には子孫を幸せにする力がある」ということです。ただし、子孫がご先祖様をお祭りしなければ、「幸せ」は実現しません。このことは、近代日本の思想家であり、民俗学の父である柳田國男が著書『先祖の話』のなかで、くり返し述べています。

 中国・儒教の古典で孔子様の編纂とされる『詩経』には、「先祖祭祀」「先祖崇拝」をすると、子孫には「福禄寿」(子宝、裕福、長寿)がもたらされる、という詩があります。

 またお釈迦様は、次のような遺言を残しました。『大般涅槃経』というお経に、「仏塔(=お墓)を花輪、お香、顔料(日本の場合はお水)、そして清らかな心をもってお参りすれば、長い間、利益と幸せが得られる。また死後には天界の善いところ(浄土)に生まれかわる」と。

 日本の先祖祭に多大な影響を与えた孔子様、お釈迦様のおふたりが、ご先祖様やお墓をお祭りすれば、「子孫は幸せになれる」ということを認めています。つまり、「ご先祖様には子孫を幸せにする力がある」ということです。

 ご先祖様をお祭りする場として代表的なのは「お墓」。ぜひ、「ご先祖様には子孫を幸せにする力がある」ということを信じてお墓参りをしてください。必ず「幸せ」が訪れることでしょう。

 お墓は「お墓参り」をするためにあるのです。
 「お墓参り」とは負担ではなく、幸せになるために大切なことなのです。

※お墓100年プロジェクトお墓参り写真コンテスト写真集『お墓は幸せのシンボル』より